第20話『速過ぎる刺客』

 

 

 

 

 

ここは京都。
修学旅行の定番とも言うべき場所である。
事実、麻帆良学園も京都を修学旅行の地に選ぶことが多い。
無論のこと、関西呪術協会に気を遣いながら、と補足する必要があるが。

 

 

 

 

「ここが清水寺か……」

月戒は、柄にも無く感動していた。
そこに刻まれた歴史もさながら、情景の雅なこと。
悲しいかな、自分の感性が普通かどうかは知れないが、とにかく感動した。
緑の山々に、澄み切った青い空。
ところどころで飛び交う小さな虫達。
小鳥達のさえずりさえも、彼の耳にハッキリと届いた。

月戒は、今日が晴天だったことを地球に感謝した。
更に言うなら、エヴァが他の生徒に同行してくれたことにもだ。
お陰で、こうしてゆっくりと風景を眺めていられるのだから。

そして『兄貴だったら平均致死率計算するんだろうな〜』とか思って気だるくもなった。
当の兄貴・コヘレトは、今日の夜に合流と言うことになっている。
それまでは気を抜けない、と思い直し、月戒は大きく深呼吸をした。

 

 

 

現在分かっている敵戦力は、たったの2名。
だが、ヨシュアがこの程度の戦力でケンカを売ってこないことを月戒は知っている。
ヨシュアは、一気に勝負を決めたがると言う悪い癖を持っている。
今回もそうだとすれば、ヨシュアは佐波以外にも手駒を持っていると考えて良い。
敢えて手駒をバラしておいて、鳴里を引っ張り出したのだ。
佐波の天敵とも言うべき能力を持った相手がいるのに、その対策をしないはずが無い。
そもそも、ヨシュアと佐波が揃ったところで、勝ち目が無いわけではない。
コヘレトと、鳴里の妻・カザヨがいれば、と補足する必要があるが。
いや、もしかしたらコヘレト1人でも十分かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、清水の舞台で考え事をしている月戒の肩を叩く人物が1人。
パッと素早く振り向くと、そこにいるのは見慣れた顔だった。

 

 

「どうかしましたか、ネギ先生?」

月戒はギルバートとしてネギに声をかける。
無論、正体がバレる訳にはいかないからと、細心の注意を払ってだ。

どこかで見たかのような不安な顔をするネギ。
そのネギの表情を見て、月戒は違和感を覚える。
嫌な予感がした瞬間に、ネギは過去に月戒が聞いた言葉を口にした。

 

 

 

 

 

「月戒……その、生きてれば絶対良いことがあるから…………」

「……で、誰に自殺を止めて来いと言われました?」

「裕奈さんが」

「生徒にワケの分からん死に様を晒してたまるか」

 

月戒は頭を抱えた。
一体、馬鹿共の詮索は何時になったら終わるんだろうか、と。
そもそも、月戒が死に急いでいるように見えるというのはおかしな話だ。
月戒が死ぬ理由はどこにもないし、本人もその気はない。
誰かが流した悪質な噂だろうと考えたが、アホらしくなってすぐにやめた。
まぁ、面倒なだけじゃなくて、ある程度予想が付いたと言うのもあるのだが。

 

 

 

 

「そもそもだ。教員が自殺したら、修学旅行どころじゃねぇだろ」

「そう、だよね……?」

「コラコラ、半疑問を使うんじゃない。間違った日本語だぞ」

「ゴ、ゴメン」

 

月戒が次にネギから受けた印象は、何か変だ、ということだ。
心配しているにしては、何かを隠しているように見える。
それも、結構大事なこと。

言うに言えないと言った様な雰囲気が、ネギの周囲に漂っていた。

 

 

 

 

「ネギ。俺に言わなきゃならんことがあるな?」

図星を突かれた、と言う顔をして、ネギは驚いた。
そして、すぐにまた不安な顔に戻る。

 

「よし。絶対に怒らないって約束する。だから言ってくれ」

一瞬の沈黙の後、ネギは口を開いた。

 

 

 

 

「その、月戒の正体……多分バレちゃった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月戒は、ネギの予想通り固まっていた。
やっぱり怒られる、と思って思わず目を瞑った。
きっと、怒鳴られるかドツかれると思ったのだろう。

だが、月戒が何かしてくる様子は無い。
それを不審に思い、ネギは片目を開けて月戒を見た。

 

自分よりずっと後ろで焦点が合っている。
誰か知り合いを見つけたにしては、鋭い目線だ。
いや、どっちかと言えば驚きに近いかもしれない。
そう思ってネギが振り返ろうとすると、月戒がネギの襟首を掴んだ。
そして、思いっきり生徒の塊の中に投げ飛ばす。

 

そして、先程まで見ていたであろう人物に向かって、文字通り全力で駆けていった。

 

 

 

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ネギの独白は、月戒の耳には届いていなかった。
妙な気配を感じてネギの後ろに視線をやったとき、一気に背筋が凍りついた。

 

 

 

病的なまでに白い肌に、コーカソイド独特の骨格。
年季の入った傭兵の様な顔に、一本に束ねられた艶やかな黒髪。
そして、どんな闇よりも深く感ぜられる、漆黒の両眼。

 

 

 

佐波だ。

 

 

 

 

 

 

 

そう悟った瞬間、月戒はまず、ネギの安全確保に入った。
襟首を思いっきり掴み、力で投げ飛ばす。
投げ技を一切知らない月戒にとって、それしか方法は無かった。
それなりに力があったので、予想通りネギは飛んでいってくれたが。

 

 

 

そして、次に思考したときには佐波を殺しにかかっていた。

 

躊躇うことなく、迅速の力を以ってして佐波に向かって走る。
アシッド・リーダーが発動する前に、一瞬で勝負をつける気だった。
月戒には、アシッド・リーダーを防ぐすべが無い。
その上、アシッド・リーダーは広範囲攻撃が可能な付加能力なのだ。
生徒が狙われてしまったら一溜りも無い。
だから、月戒が佐波と戦った場合は、できる限り早く勝負を決めなければならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間が引き伸ばされたような感覚を覚えながら、月戒は走る。
ネギがまだ殆ど移動していない中、既に佐波の眼前にまで迫っていた。

佐波が月戒の予想を裏切ったのも、ちょうどそれと同じ瞬間だった。

 

 

 

佐波の左の拳が、月戒が知覚している迅速の世界で通常スピードで動く。
いや、ただ動くのではなく、向かってくる月戒に対して放たれようとしているのだ。
佐波も間違いなく、高速の世界に順応していた。

だが、月戒は迷うことなく突っ込んだ。
いかに佐波が迅速を使おうとも、アシッド・リーダーは無意味だ。
佐波がどれだけ速い世界に対応できても、酸は早く発生してくれない。
通常の発生時間と全く同じ時間でしか発生しないのだ。
単に座標確認と発生命令の速度が上がっただけで、発生速度自体は元のままだ。
当然のこと、月戒の雷炎も同様の制約を受けるのだが。

 

 

 

 

 

 

高速の世界・特に、迅速の能力が絡んだ世界での戦いは、一瞬で勝負が決まる。
別に、時間的なことを引き合いに出しているのではない。
仮にその世界で2者が戦ったとしても、一瞬で終わることが殆どなのだ。

 

高速の世界と言えど、結局は地球の上だ。
物理法則を無視することなど不可能なのである。
重力と言う名の巨大な万有引力もあれば、空気抵抗も存在する。
空気摩擦もあるのだから、付加能力(特に炎関係のモノ)が無ければ、動くだけで火傷は必至だ。

 

 

例えば、高速の世界でジャンプしたとしよう。
一度飛んでしまえば、重力が自分を地に下ろしてくれるまで飛びっぱなしだ。
その上、方向転換はできないし、進行速度は跳躍時のそれに順ずる。
なぶり殺しにしてくださいと言っているようなものだ。

さらに、全力疾走した場合のことを考えてみよう。
何十倍にも近くスピードが引き伸ばされた世界で、全力疾走。
勿論のこと、自分は何十倍もの速さで走っているのだ。
当たり前のように、体中に大火傷を負うことだろう。
そして、全身に思いがけない衝撃が走ることも必至だろう。

 

 

 

 

だから、月戒は佐波に真正面から向かっていった。
佐波の手にはめられている、耐熱グローブと思しき物体。
それを見ただけで、月戒は勝利を確信した。
火傷をしない月戒が、高速の世界でも最も速いのだから。
いや、高速の世界を良く知り、1つでも多くの制約に縛られない。
だからこそ、月戒は佐波に真正面から立ち向かえた。

 

 

 

 

 

 

 

月戒は自分の速度を更に倍にして、佐波のストレートを易々と回避した。
間髪いれずに、月戒のクロスカウンターが佐波の顔面に直撃する。
ふらつく佐波に対して、月戒は容赦なくボディーブローを見舞った。

思わず息が止まり、慌てて膝蹴りを放つ佐波。
その際に、少々焼け焦げるジーンズ。
きっと耐熱素材なのだろうが、高速の世界では大した意味を成していない。
それでも、攻撃の手段が1つ増えれば万々歳なのだろう。

 

だが、それを予想していたかのごとく放たれる月戒の足払い。
不意の攻撃に凍りつく佐波の表情。
高速の世界で月戒を目の前にして、あまりにも無防備だ。
それを嘲笑うように、月戒は高々と右足を持ち上げる。
宙に浮く佐波に、更に速度を上げた月戒のカカト落しがめり込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのとき、月戒の目に佐波の笑顔が映った。
気味の悪い、相手が策に落ちたかのような笑顔。

佐波を見つけたときと同じ寒気を感じ、月戒は生徒たちの方を振り向いた。

 

 

 

 

月戒がネギを投げた方向だ。

超に裕奈に夕映、ハルナにのどか。
彼女達の上に、酸が発生し始めていた。
まだ小さいが、その酸の塊は段々と大きくなっていく。
このままでは、彼女たちは大怪我をしてしまう。
いや、死に至るかもしれない。
もしかしたら、跡形も無く消えてしまうかもしれない。

 

佐波にトドメを刺すのも忘れ、月戒は駆ける。
彼女達を救えるのは、彼しかいないのだから。

 

 

 

 

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「へぇ〜。それはなかなか興味深いアルね」

「ゆえっちは、神社とか大好きだからね」

「仏閣や仏像も好きですよ」

 

楽しく話す彼女達の輪の中に、人が落ちてきた。
ちょうど彼女達全員の中心辺りに、寸分の狂いも無く落下してくる男。

副担任のギルバート……いや、国級月戒だ。
着地した瞬間に受身を取るが、様子がおかしい。
右の肘辺りを左手で押さえているが、そこから先が見当たらないのだ。
苦悶の表情を浮かべながらも、月戒は彼女らに向かった叫んだ。

 

 

 

 

「逃げろ! 殺されるぞ!」

溶けた腕の痛みを堪えながら、必死に叫ぶ月戒。
ただならぬ状況に即座に対応したのは、超だった。
天才と言われる彼女の頭脳がなせる芸当の1つかもしれない。

 

「どしたか! とりあえず腕を……」

「いいから逃げろ!」

左腕をどかそうとした超に罵声を浴びせる月戒。
丁度そこにネギが飛んできたが、月戒が器用に足で受け止めた。
左足だけでバランスを取り、上げた右足でネギを挟みこむ。
そのまま下ろしてやると、ネギは呆気に取られていた。
そして、ネギにも叫ぶ。

 

 

 

「敵だ! 生徒連れて逃げろ!」

「え!?」

状況をよく把握できないネギ。
慌てふためくが、何が起こったか良く分かっていない。
先程自分の事を投げた月戒がココにいるのは、迅速で説明が付く。
だが、何故月戒がココまであわてているかは分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が声を上げるや否や、青い炎が彼を包んだ。
もちろん、ネギが慌てている様子など彼の目に入っていない。

赤い炎よりも効率よく燃焼している炎。
赤い炎よりも、ずっとずっと温度の高い炎。
だが、炎は彼を焼かない。
それどころか、より強い炎に包まれた彼の右腕は、徐々に戻っていった。
無論、佐波と戦うにはまだまだ時間が必要だと思われた。

 

 

 

「ほぉ、不限人様はそんな荒技も可能なのか」

「ほざけ。コイツは付加能力だよ。知ってんだろ? ガンジ」

月戒から20m以上も離れたところで、佐波は不適に笑っていた。
黒いコートの内側から、愛用のレピアーを引き抜く。
少しのはこぼれも見当たらないそれは、かなり手入れされていると素人目にも分かった。
刀剣類に関しての知識の薄い月戒でも、その鋭さは視覚で感じ取れた。

月戒は、後ろ腰から銃を引き抜いた。
小さなオートマチック拳銃だ。
もしかしなくても、ルパン御愛用のワルサーP38よりも確実に小さい。
だが、その形状は近年普及率の高いオートマチック拳銃と同型だ。
変わった点と言えば『YAOYOROZU』とスライドに刻まれていることくらいだろう。

 

 

 

 

佐波はフェンシング選手のようにレピアーを構える。
対する月戒は、酸に犯されていない左手で、佐波の頭部に銃口を向けていた。
生徒や観光客の悲鳴の中、2人は微動だにしない。
逃げ惑う人々を気にも留めず、佐波は大儀そうに言った。

 

 

 

 

 

「久しぶりだな。迅速の月戒……いや、イトコの月戒というべきかな?」

「ふん。俺は殺しが好きなイトコなど持った覚えは無い。
 ついでに言っておくが、破壊至上主義のビチグソ野郎を兄貴に持った覚えもな」

「何を言うか。ヨシュア殿は貴様を高く評価しておいでだ。
 弱点を持たず、天性の能力も遺憾なく発揮できる貴様を」

「犯罪の片棒なんざ、お断りだね」

「意地を張るな。ヨシュア殿は、双子の弟の貴様を気にかけているのだ」

「けっ。悪いが、俺は双子だが、片割れは行方不明の妹なんでね。
 もっとも、三つ子だったかもと思うんだが、上の奴は逝っちまってるからな。
 もちろん、頭の中がって意味だけどよ。へっへっへっへっへっへっへっへ」

 

そして、月戒の指がトリガーを引いた。
それと同時に放たれる、たった一発の弾丸。
だが、佐波は酸の壁を作ってそれを防ぐ。
予想通り、月戒の放った弾丸は消滅した。

 

 

 

「へへっ……アシッド・リーダーか。俺の雷炎より優れてるんじゃないか?」

「当然。貴様の能力など、俺から見ればただのこけおどしだ」

「おうよ。俺の能力なんざ、こけおどしどころか宴会芸以下だ」

にやにやと笑う月戒。
佐波が月戒の表情に見たのは、絶望だった。
ハッタリにハッタリを重ね、その場しのぎをしようとしている。
無様な姿をもっと楽しみたいと佐波は思ったが、そうもいかなかった。
迅速を用いて不意を突かれては、たまったモノではない。
そろそろ勝負をつけてやろうとした、そのときだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐波は自分のレピアーに異変が起こっていることに気付いた。
レピアー独特の広刃に、霜が降りているのだ。
次の瞬間、レピアーは真っ二つになった。

 

 

「な……!」

驚愕する佐波に、更なる追撃が放たれた。
佐波の左頬に当たる、硬い感触。
ただ硬いだけでなく、それにはしっかりとした重さがある。
武術の達人か、その手の武器に精通した者の一撃だ。

だが、一撃で倒れるほど佐波も弱くはない。
突然の来訪者を、アシッド・リーダーで消し去ろうと試みた。
相手が来たであろう左側に対して、酸の膜を飛ばす。
回避し辛いように、敢えて広範囲に攻撃したはずだった。

 

 

 

 

はずだったのだ。

 

 

佐波が念じても、酸の膜は出てこない。
それどころか、今度は顎を跳ね上げるように第二撃が佐波を襲った。
なんとか襲撃者の方に首を向けると、青い髪の毛が視界に入った。
次に理解したのは、その襲撃者が棍を持っていること。
その棍で二度にわたって攻撃されたことだ。

必死で状況を理解しようとする佐波の膝に突きが放たれる。
突きが入るや否や、今度は顔面を蹴り飛ばされた。
薙ぐような飛び蹴りの主は、先程まで不利な状況にあった月戒だった。

 

 

 

 

 

地面を滑る勢いを殺しつつ、月戒は体勢を立て直す。
溶けなかった左手で摩擦を増やしバランスを確保した直後、増援の近くまで大きく飛び退いた。

増援は棍を中段に構え、佐波の水月を正確に狙っている。
機があれば、棍を以ってして佐波を貫かんとする気迫に満ちている。
長身に釣り合った長い棍が、槍の穂先のような殺気を持っていた。
その棍の……青い髪の主は、鳴里圭吾であった。

 

 

「……すまん、鳴里」

「気にするな。コイツなら、俺に任せておけ」

余裕の笑みを浮かべ、鳴里は棍を低く構えた。
水月を狙われる心配は減ったが、その棍は佐波にとって脅威に違いなかった。

息を整えながらも距離をとる佐波が、驚きの目でこちらを見ている。
それを無視して、2人の会話は続いた。

 

 

「今は満足に戦えんだろ。正直なところ、足手まといだ」

「悪いな……。頼んだぞ」

一言残し、月戒はその場を去った。
少々歯がゆかったが、仕方が無いことだと彼は割り切った。
手負いの月戒よりも、万全の鳴里の方がずっと強いのだから。

 

 

 

 

 

 

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佐波は追わない。
追う事ができなかったのだ。

目の前に対峙する男、鳴里圭吾。
彼も、この人物は知っていた。
誰よりも、などということは言わないが、よく知っていた

 

 

 

 

 

付加能力の実験が盛んになる前で最大の事件『アドルフ・スキャンダル』
それにおいて、最前線に立ちながらも生き残った者の1人。

 

『極寒の狂戦士』『氷を操る王』『紅蓮の使者』

 

 

彼に付けられた異名は、数え切れないほどだ。
そして、現・国級特殊部隊の武術教官でもある。
未だに現役でも通用すると言われる強者。

そして、佐波の部隊のリーダーだったことのある男。

 

 

 

 

「き……貴様が何故!」

「何故? 面白いこと聞くなぁ、お前」

鳴里は、嫌味ったらしい笑顔で答えた。

 

 

 

 

 

「裏切り者を殺しに、正義の代弁者が来たに決まってるだろ?」

 

 

 

その一言は、最初の死闘の幕開けとなった。


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