〈白夜の降魔・風の聖痕編〉

 

第一部・風の聖痕

 

 

第七幕   『推理』

 

 

 

 

 

 

「強い妖気の残滓……これだけで、これをやった相手の異常さが推理できますね」

 

 神凪邸の離れにて―――――景太郎は収容された四人…武哉と武志、慎吾と風牙衆の…涼原すずはらという名の術者…の遺体それぞれに手を翳しながらそう言った。

 武志と涼原は縦に、武哉と慎吾は横に分断されたその傷口から、殺害に用いられた力の残滓が色濃く残っている。
 付着している妖気は本当に滓でしかない。だが、その妖気そのものの質…色がとてつもなくどす黒く、それだけで相手の強さが伺い知れるようだった。

 

「どれも一撃の元に殺害されております。そしていずれも風術…風の精霊を使っております」

 

 景太郎の傍に立っていた兵衛がそう付け加える。その表情は、同胞の無惨な姿に悲哀を感じずに入られない…そんな顔をしていた。

 

「景太郎様。この様なことは言いたくございませんが……」

「和麻さんがやった可能性が高い。そう言いたいんでしょう?」

「は………」

 

 言い難かった言葉を先んじて述べた景太郎に、兵衛が気まずげに頷く。

 

「此程までに見事な切り口を作り出す風の刃、作り出すには恐ろしいまでに凝縮された風の精霊を用いなければなりません。景太郎様もご存じでしょうが、我ら風牙衆にもそれほどの術者は居りません」

 

 情けない話ですが……と付け足しつつ、何とも言えない顔になる兵衛。力不足で神凪に無能呼ばわりされる中、自分の口からはっきりとそれを言う気持ち…それは何ともやりきれないだろう。

 しかし、兵衛の認識は一つ間違っている。ただ一人…風牙衆でもそれを行える者は居る。誰でもない、兵衛の二人目の子供である陸渡だ。陸渡なら一撃で人を両断できるだろう。
 ただし、風の精霊を風晶石の一対のナイフ【双翡・翠蓮】に全力で風の精霊を込め、さらに風…風の精霊ではなく、風そのもの…の力を風晶石の力で増幅してやっと、それもたった一撃のみ…だが可能だ。
 兵衛が知らないのは、その術…ある意味“技”だが、まだ完成の域に達していないため、陸渡も景太郎も教えていなかったのだ。

 だが、仮に教えていたとしても、兵衛が…そして景太郎が陸渡を容疑者に考えることは絶対にない。
 風牙衆は同朋意識が強く、仲間割れなどという行為を行うことはない。その風牙衆の一人で、皆からも可愛がられている陸渡が仲間である涼原までも殺害する動機も理由もないし、絶対にありえない。

 世の中に絶対などありえないというが、くしくも彼らを謗り弾圧する神凪一族の存在が、彼らの絆をより強いものへとしていたのだ。

 ゆえに、景太郎はあえて口を出すこともなく、兵衛の言葉に頷いて同意した。

 

「確認したわけではありませんが、話を聞いた限りでも和麻殿の力は我らより圧倒的に上。この状況下であれば一番疑わしいのは致し方ありません」

「確かに…現状では和麻さんが犯人の最有力候補になります。ですが、それらは状況判断でしかなく、確たる証拠はありません。綾乃さんは騒いでいましたが、あくまで殺害現場に和麻さんが居たのを見たくらいです。直接殺した所も見て居らず、初見も遠目で男だと朧気に判っただけで、はっきりと見たわけではないそうです」

 

 凄い剣幕で捲し立てていた義妹いもうとを思い出しながら景太郎は言う。たとえ義妹いもうとの言葉であろうと、そのまま鵜呑みになどしない。

 

「ですが、分家の方々は和麻殿を討つべしと異様な盛り上がりをみせておられるようですが……」

「まったく困ったものですよ。いい歳した連中が、宗家の人間とはいえ十代半ばの娘の言葉を鵜呑みにして尻馬に乗っているんですから。情けないと思いませんか?」

「それはなんとも…………」

 

 歯に衣を着せぬ景太郎の言葉に苦笑を返す兵衛。

 今の兵衛の表情は、神凪の人間が誰一人として見たことがないほど穏やかであった。
 兵衛自身、景太郎のこういうところが好きだった。身分や格式などにとらわれず、ごく自然体で接してくる景太郎の考えや態度が。

 景太郎は風牙衆を見下さない。風術を下術と謗らない。ただ炎術は炎術、風術には風術の優れたところがある。方向こそ違えどどちらも素晴らしい術だ…と本心から認めてくれているのだ。

 そして、いつも自分は風術の探査能力や情報操作能力に助けられている。ありがとう…と、頭まで下げるのだ。

 

「兵衛さんには……風牙衆の方々には本当に済みませんが、涼原さんの敵はもう少し待ってください」

「そのお言葉だけで、大変ありがたく思います」

 

 深々と景太郎に頭を下げる兵衛。それは神凪の面々に行う義務的なそれではなく、心からの行為だ。

 

「ところで……」

「はい、何でございましょうか?」

「これから涼原さんのご家族と面会は出来ますか? 奥方と娘さんにお悔やみを申し上げたいのですが……」

「重ね重ね、ありがとうございます」

 

 この言葉に兵衛が破顔して微笑んだ。

 

「では、こちらへ…………ん?」

「誰か来たようですね」

 

 兵衛が景太郎を涼原の家族の元へと案内しようとした矢先、戸を隔てた向こうから人の気配を感じ、そちらに目を向けた。そして―――――

 

「景太郎様……」

 

 戸越に声を掛けられた。景太郎も良く知る、重悟の側近の一人である周防だ。

 

「何か御用ですか、周防さん」

「はい。宗主が景太郎様をお呼びになられております」

「分かりました。“私用”が済み次第そちらに向かいます…と、宗主にお伝えください」

「私用……ですか?」

「そうです」

 

 戸越ゆえに周防の表情は伺い知れないが、景太郎は声から微かな非難を感じた。おそらく、眉を僅かに顰めていることだろう事は想像に難くない。

 要するに、景太郎は自分の我が侭で宗主の命令を後回しにすると言っているのだ。これは宗家の人間…たとえ重悟の懐刀と呼ばれている景太郎でも、許容されるものではない。その様なことをすれば、組織というモノが破綻する。

 ―――――が、

 

「…………分かりました。宗主にはその様にお伝えします」

「御足労をおかけします」

「いえ、お気になさらずに……」

 

 特に感情を挟まぬ口調に戻った周防はそう答えると、静かに…来た時と同じく戸の前から去った。

 

「景太郎様」

「行きましょう、兵衛さん」

 

 兵衛が何を言いたいのか解っている景太郎は言葉を続けさせず、先んじて部屋を出る。そんな景太郎に兵衛は言葉を続けようとしたのだが……景太郎の後ろ姿に頭を下げ、その後に続いた。

 

 そして……兵衛を先頭に、景太郎は神凪の屋敷を出て離れた場所にある風牙衆の屋敷に向かっていた―――――その時、

 

《主……》

(戻ったか)

 

 景太郎の意識に直接語りかける存在が現れた。それに景太郎は慌てることなく、心の中で言葉を返す。

 

(わざわざ済まなかったな、アルタイル)

《構わぬよ。それに、主の義妹とおまけの一人は助けられたが、残りの一人までは手がまわらなんだ。面目ない》

 

 景太郎の脳裏に響く思念コエの主―――――アルタイルが、やや意気消沈した感じで応える。

 

 綾乃達が謎の男に襲われた際、色々と手助けした白き鷹は景太郎の使い魔〈アルタイル〉だ。アルタイルは景太郎の命で綾乃達に付き、見守っていたのだ。
 生来の才で扱う炎は強くとも、その制御が甘く、実戦経験も乏しい綾乃を敵は狙うかもしれない。そう考えてアルタイルを張り付かせていたのだが……どうやら、それは功を奏したようだ。

 今までアルタイルが景太郎の元に戻らなかったのは、念の為に入院した雅人に付かせていたからだ。敵が止めをさしに来るのではないか…と考えて。
 しかし、その様子が無くアルタイルは戻ったのだが…それはそれで、敵の狙い通りに事が進んでいるという証明でもあった。

 

(気にすることはない。アレを相手に二人が生き残っただけでも僥倖だからな。それに、日常ではなく退魔をしている最中だったんだ。“怪我”や“死”は覚悟の内に秘めておくものだ。どんな者だろうと……な)

《そう言って貰えるならありがたいの》

 

 どこまでも冷静沈着な己が主の態度に頼もしさを感じるアルタイル。その心の強さに惹かれ、彼は景太郎の使い魔となることを良しとした。
 ことある事に取り乱すような心弱き輩であれば、アルタイルはとうの昔に景太郎を見限っていただろう。

 

(それで、相手の姿は見たのか?)

《その件じゃが……奴の纏う風の精霊がとち狂っておっての、最初は認識できなんだんじゃが……主の妹の炎が上手い具合に、風に含まれる妖気を浄化しての。ギリギリじゃが視ることは出来た。ほれ、これが襲撃者の顔じゃ》

 

 景太郎の脳裏に一人の男性の姿が浮かび上がる。同時に、アルタイルが感じた妖気の質・波長なども鮮明に伝達された。

 

(この目は……)

 

 景太郎は容姿や妖気よりもまず男の目に注意が向いた。怒り、憎しみ……全ての負の感情が焼き付いたかのような、その壮絶なその眼に。

 景太郎はその眼に宿る強い憎悪を感じると同時に、軽い既視感を覚えた。のだが…今は考えるべきはそこでは無いと思考を切り捨て、男の全体図に集中する。

 

(人間の顔……となると、妖魔と契約した、もしくは妖魔に憑依されている可能性が高いな)

《どちらにしても厄介な事には変わらんな。あの隔絶した実力はもはや災厄じゃ、人など抗うこともできんわい。
 あの重悟や厳馬という者達ならまだしも、それ以外の神凪の戯け共は為す術もなく殺されるだけじゃろうて。あの綾乃という小娘でもな》

 

 自分の見た綾乃の行動を余すことなく景太郎の脳裏に写しながらアルタイルが大きく溜息を吐いた。

 

《しかしあの小娘…本当に主の義妹か? 同じ年頃の時でも、主と比べものにならんぞ》

(綾乃さんは幼い時分に炎雷覇を継承したからな、急いで強くなる必要はなかったのさ)

《その事ではないわ、状況の判断力などがあまりにも貧弱すぎる事だ。余程実戦経験が少ないんじゃろうな。それに、あの短絡的で身勝手な行動……甘やかしが過ぎるのではないか?》

(神凪が…それも宗家が命のやりとりをする退魔なんてそうそうない上に、宗主が過保護だからな。なんだかんだ言いながら綾乃さんには甘い。危険がありそうな仕事はほぼ俺に任されているし、俺も進んで引き受けているからな)

 

 その言葉に、景太郎の脳裏にあからさまな溜息が響いた。

 

《親なればこそ、組織の次代を担う自分の子供を厳しく育てると思うがの。それが宗主となれば尚更じゃ》

(そう言うな、アルタイル。宗主にとって綾乃さんは奥方の忘れ形見だ。必要以上に構い、大切にするのは致し方がない事だ)

《ふん……まぁ、そう言うことにしておこうかの》

 

 言葉からも声音からも、ありありと納得できていないことが伝わり、苦笑する景太郎。以前から薄々と感じてはいたが、どうやらアルタイルと綾乃は合わないらしい。

 

《まぁいい……久々に長く出張って疲れた。暫しの間、儂は休ませてもらうぞ》

(そうか。もう若くないからな、無理させて済まなかった)

《儂を年寄り扱いするでない!!》

 

 アルタイルがいきり立って抗議している様を、景太郎は肩を震わせて笑いを堪えた。

 

「どうかいたしましたか?」

「いえ、少し悪寒を感じまして……」

 

 景太郎の様子に気が付いた兵衛が訪ねてきたが、景太郎は咄嗟に嘘をついて流した。

 

「左様ですか。お風邪などをひかれぬよう、御自愛くださいませ」

「ご心配を掛けて済みません、くれぐれも気を付けます」

 

 疑いもせず心配してくる兵衛に、景太郎は罪悪感を抱き、謝罪と感謝の意味も込めてそう返事をするしかなかった。

 ―――――その時、

 

 

「…………ん?」

「どうかなさいましたか?」

「いえ……」

 

 突如立ち止まり、振り返った景太郎に声を掛ける兵衛。景太郎は兵衛の言葉に生返事をしながら、後方を真剣な目つきで隈無く見回していた。

 が、それもほんの数秒。すぐに兵衛に向き直り微苦笑を浮かべた。

 

「何か視線を感じたのですが……気のせいだったようです。ここ最近の事件で少し神経質になっていたようです。手間取らせて済みません。涼原さんの所へ行きましょう」

「わかりました」

 

 そう言って二人は再度歩き始めた。

 そして暫くし―――――二人が風牙衆の住む屋敷の前まで辿り着いたとき、兵衛が振り返って景太郎に頭を下げた

 

「景太郎様、大変失礼かと存じますが、私は仕事が御座いますのでここで失礼させていただきます。後の案内は誰かにでも……」

「いえ、構いませんよ。何度も来た家なんですから、中の構造は憶えています。それで、涼原さんは自室の方に?」

「はい。訃報が知らされてからずっと籠もっております」

「そうですか……」

「では、景太郎様。何もお構いできずに申し訳御座いません」

「こちらこそ、忙しい最中、案内をさせて申し訳ありません。お仕事頑張ってください。それと、危険だと思ったらすぐに手を引いてください。これ以上、俺は誰にも死んでほしくありません」

「有り難きお言葉です。皆にもそう伝えておきましょう。きっと喜ぶはずです。では……」

 

 再度頭を下げ、その場を去る兵衛を、景太郎は同じく頭を下げて見送った。

 

 

 

 


 

 

 今、神凪の屋敷は静寂に包まれていた……
 厳馬は一人、廊下を歩く自分の足音を聞きながら、此処が無人の廃屋のような錯覚を覚える。

 だが今、その錯覚とは裏腹に神凪本邸には一族の殆どが集結していた。そして、彼らは『敵』から見つからぬように息を潜め、さりとて一人で居る勇気もなく、大広間にて肩を寄せ合って震えていた。

 

 彼らが恐れるのも無理はなかった。分家最強である〈大神 雅人〉が抵抗も出来ずに片腕を切り落とされ重傷。コンビを組めば宗家に準ずる…正確には分家でも敵なし…といわれた慎吾と武哉が殺されたのだ。
 それはつまり、分家ジブンたちでは敵には勝てない…という確たる証明でもある。

 次は自分の番ではないのか…と、誰もが戦々恐々としていた。

 更に言ってしまえば、件の敵は綾乃の炎を防いだという話が広まり、分家の者達の恐怖心を更に煽っていた。

 

 厳馬に言わせれば『惰弱』の一言に尽きるが、誰もが彼のように強くあるわけではない。

 

「遅くなりました」

 

 重悟の私室前にて厳馬は跪き、襖越しに参じたことを伝える。そして入室の許可をもらい、厳馬は静かに襖を開けると速やかに中に入った。

 入ったところで…彼を待っていたのは、遅れた事への叱責でも咎める言葉でもなく、重悟の恨めしそうな視線であった。
 無論、その視線に気が付かない厳馬ではないが、一切表情を変えることなくいつも通りに平伏した。

 

「……本当に遅かったな」

(自分だけちゃっかりと逃げ出しやがって……)

 

 重悟は苦々しい思いを一切隠さず言い放つが、厳馬は苦言を聞き流し、やはり一切表情を変えることなく頭を上げるとしらじらしく周囲に視線を走らせ、

 

「ところで、綾乃は?」

 

 と、ぬけぬけと訪ねた。

 

「うるさいから下がらせた」

 

 その台詞を言うと同時に更に渋面となる重悟。
 怒り狂い、今すぐにでも和麻の泊まるホテルと焼き討ちに行きかねない綾乃を宥め終えたのは、つい数分前のことなのだ。

 

「それも仕方がないことでしょう。死んではいないとはいえかなりの重傷……あれは雅人に懐いておりましたからな」

 

 他人事のように言う厳馬に、重悟が白い目を向ける。

 

「お前にしては珍しく寛大だな。そこまで綾乃を気遣ってくれるのなら、一緒に宥めてくれても良かったのではないか?」

 

 綾乃が喚き散らしている間、厳馬はそっぽを向いて我関せずを気取り、あまつさえ途中で席を外し、説得が終わった頃になって戻ってきた。

 ならばと思い、景太郎を呼ばせたのだが、こっちの事情を見透かしているかのように『私用』と言って拒否してきた。
 本来なら許されることではないのかもしれないが、死んだ風牙衆の術者の慰問に行くつもりなのだろうと見当を付け、景太郎のやりたいようにさせることにした。自分が行くよりも、景太郎が行く方が良い…と、考えて。

 ちなみに、景太郎は見透かしているのではなく、実際に見ていたりする。綾乃が屋敷に帰った時点で、喚き散らす綾乃と追従する分家達を……

 

 

「私はお忙しい宗主に代わり、一族の者に指示を出さなければならなかったので……それに、風牙衆の報告も聞きたかったことですし」

 

 暗に『これが最善の行動だった』と言わんばかりの厳馬の言葉に、重悟は渋い顔をする。

 どちらも無駄とは言わないし、綾乃にかかりきりだった重悟に代わって動いた厳馬は褒められこそすれ咎められる行為ではない。そんな事は重悟も重々承知だ。
 それでも、理性で解っていても感情は納得できない。特に、息子まで逃げたとあっては尚更だ。

 だが、そんな考えも今は些細なこと。その様なことよりも、話し合わなければならない重大なことがある。

 重悟は咳払いして場を切り替えると、厳馬を促して風牙衆からの報告、一族の様子を重悟に伝えた。

 

「そうか……それで、お前はどう思う。一族の大半が和麻の仕業と決めてかかっているようだが」

「綾乃に気付かれることなく奇襲、雅人を重傷に追い込み、傍にいた武志を殺害。その後、綾乃の手により姿をさらけ出されたものの、綾乃と数手ほどやり合った後、あっさりと逃走。その逃走途中に慎吾と武哉を見つけ、これもまた殺害。そして綾乃が追いついた。
 まぁ、時間的に不可能ではなく、綾乃から聞いた和麻の実力を推測すると容易いことでしょうが……苦しいですな」

「それを聞いて安心した。正気を保っているのは私と景太郎ぐらいかと思っていたぞ」

 

 珍しく皮肉げな言い方をする重悟に、厳馬は口元を綻ばせた。

 

「皆不安なのでしょう。正体不明の敵より、和麻が復讐に帰ってきたと考える方が楽ですから。見えざる敵はより大きく見えるものですから、こじつけでも敵を確定したいのでしょう」

「綾乃もか?」

「あれはただ単に、雅人を傷付けられて理性を失っているだけです」

 

 事態が事態、我が侭娘の身勝手に付き合う暇など無い…と、言外に口にする厳馬。宗主の手前、はっきりとは口に出さないが、重悟にしてみれば言っているのも同然であり、返す言葉無く苦笑するしかなかった。

 

「しかし…敵の正体もそうだが、綾乃が言っていた『白い鷹』というのも気になる。話しによれば、その鷹は綾乃達に警告し、更には雅人の命を救ってくれた。死んだ武志には悪いが…綾乃と雅人、二人が生き残っただけでも良しとしなければ」

「左様で。ですが、その白い鷹…敵の敵が味方とは限りません。その鷹の目的が掴めないのは些か不安ですな」

 

 白き鷹―――――アルタイルが景太郎の使い魔だと知らない二人は、正体不明の白い鷹の事を図りあぐねていた。

 

「ここで考えても仕方があるまい。この際、その鷹のことはおいておこう。仮にも綾乃達を救ってくれたのだ、こちらから事を構えん限り、敵対する可能性も低かろう。それよりも和麻の事だ」

「確かに、あの者の行動は不審すぎます。敵の一味である可能性は捨てきれないかと……」

「そうかもしれんな。だが、身に憶えがなければ釈明に来るだろう。お前はともかく、私のことは信頼しているはずだ」

「そうですな……」

 

 その言葉に苦笑する厳馬。反論の余地はない、信頼されるようなことを何一つとしてやっていないのだから。

 

「ですが、あれから時が経てど、あやつからの釈明はおろか、連絡すらありませぬ。ここは私が直に赴く所存です」

「お前がか?」

「はい。今の神凪で自由に動け、かつあの者を捕らえられるのは私だけです」

「ほう、景太郎では役不足だというのか?」

「綾乃の一撃を和麻は押し止めたと聞きます。体術の勝負であれば、景太郎に軍配が上がるでしょう。が、そうなれば和麻は精霊魔術での勝負に持ち込むはず。それを考慮すれば、万全を期して炎術と体術を兼ね備えた私がでるのが上策でしょう」

 

 綾乃の一撃を押し止めた。正確には風の刃を炎雷覇にぶつけ、その場に押し止めた。生半可な攻撃では、炎雷覇が纏う綾乃の炎で逆に消滅、打ち砕かれるのに、和麻の風刃は消滅することなくその威力を発揮した。

 それはつまり、和麻が宗家の匹敵するだけの力を手に入れた証拠だ。

 

「お前が出るほどに和麻は強くなった……か。では、慎吾と武志を殺したのは和麻だと思うか?」

「やれば出来るでしょう。が、殺したのは別の……綾乃達が会ったという奴でしょう。風牙衆の報告から、景太郎が武哉と他三名の遺体から同じ妖気を感じたとありました。そして、先の襲撃者と同じだとも…」

「そうか。ならば間違いはあるまい」

 

 一片の疑いもなく頷く重悟。厳馬はその声が何処か誇らしげそうに聞こえた。

 

「しかし、それ以前に和麻が二人を倒したことには間違いありません。風刃が抉った地面の痕跡と二人の死体の位置を考えれば、二人が倒れた状態で攻撃されたことは確実です」

 

 淡々と言う厳馬。だが、その声音が何処か誇らしげであるように重悟は聞こえた。先程の自分よりも自慢しているのように……

 

「嬉しそうだな、厳馬。ならば何故、和麻を手放した」

 

 重悟はついに、この四年間ずっと訊けずにいたことを訊いた。ずっと疑問に思っていたのだ。

 あまりにも不器用すぎて誰にも理解されることはなかったが、重悟は厳馬が和麻を愛していることに薄々気が付いていた。

 

「私は……神凪の人間として生まれ、生きてきました。他の生き方は選べません。私の息子にもまた……」

「だから、自分の手が届かない所まで遠ざけたと? 神凪から解放し、好きな道を選ばせてやるために? だからといってその身一つで放り出すことはないだろうが。野垂れ死んだらどうするつもりだ」

「ふっ……何を馬鹿な。私の息子ですぞ」

「……何を根拠にそう言っておるのだ」

 

 思わず『馬鹿はお前だ』と言い出したくなる気持ちをぐっと堪え、重悟は実に無難な言葉と同時に呆れ果てた溜息を吐いた。

 その重悟の言葉に対し、厳馬はまたもやフッと一笑した。

 

「何を仰います。景太郎の奴は十歳の時に同じ境遇にあったのですぞ。そして和麻の場合は十八…それに比ぶれば優しいものです」

「お前……もしかして景太郎と張り合っていたのか?」

 

 自分の義息むすこをいきなり引き合いに出した厳馬に、重悟はもしやと思って訊いてみた。

 

「昔、着々と実力を上げる義息むすこを、毎日のように自慢する父親がいたもので……」

「私のせいか?!」

「さて……」

 

 軽く視線を外して嘯く厳馬。どうやら案の定であったようだ。

 色々な考えの元、景太郎を養子にしたのだが……やはり父親として男の子供は嬉しく、しかも自分の教えることを真綿が水を吸収するかの如く会得する出来の良い義息を誇らしげに思っていた。
 その気はなくとも景太郎のことを話す自分は、厳馬の目には自慢するように見えていたのだろう。

 

(よもや、厳馬が和麻に対して厳しく修行を施していた理由の一因が私だったとは…………)

 

 和麻に会ったら、弁明を聞くよりも先にまず自分が謝らなければならんな……と、重悟は深く反省した。

 

「ゴホンッ……それはさておき、厳馬よ。お前なら和麻に勝てるか?」

 

 重悟は本日二度目となる咳払いをし、些か強引に話を本題に戻す。

 そんな重悟の問いに、厳馬は何も言わずにただ真っ直ぐ重悟を見返す。その目は万言を費やすよりも雄弁に語っていた。『負けることなどありえない』と。

 

「わかった、お前に任せよう。それで、何時までに結果を出せる?」

「今日中に片を付けましょう。何時までも和麻にかかずらっていては、真の敵を調子づかせるばかりです」

「……期待している」

 

 厳馬は無言で一礼すると、静かに部屋を辞した。実の息子を、その手で捕まえる為に…………

 

 

 

 

 

それから三十分後……

 

「景太郎、参りました」

 

 屋敷に戻った景太郎が、襖越しに声を掛けた。

 

「うむ、来たか。入れ」

「失礼いたします」

 

 入室許可を得た景太郎は静かに襖を開けると、素早く入室して重悟の前にて平伏した。

 

(相変わらず見事なものだな)

 

 襖を開けるところから平伏するまでの一連の動きに一切の無駄が無い。素早く動いているのに作法は完璧。ほとんど物音一つたてぬその動きには、重悟も感嘆の意を示すほかなかった。

 

「己の勝手な私用で宗主の命に背いたこと、弁明のしようも御座いません。よって、如何なる処罰も受ける所存です」

「構わん。風牙衆の所へ……涼原の家族の所へ慰問に行っていたのだろう。その事で処罰する気はない、面を上げろ」

「は……」

 

 重悟の許しの言葉に景太郎はゆっくりと面を上げた。

 

「それで、涼原の家族の様子はどうだった? 確か、妻と幼い娘が居たと記憶しているが……」

 

 重悟は風牙衆に存在する家系、人間の名前を全て記憶している。神凪の為に尽力してくれている者達の名を、重悟は宗主として当然の事と言い、一人残さず暗記していた。

 

「奥方の伊津子さんは突然の夫の死に嘆き、酷くやつれておりました。娘の秋穂ちゃんはまだ幼い為、父親の死を理解できていない様子です」

「そうか……涼原も、妻と幼い娘を残して逝くなど、大層無念だっただろう」

 

 目を瞑り、死んでいった涼原のために重悟は黙祷を捧げる。自分も綾乃という娘を持つ父親の身。その無念の気持ちは幾ばくかは理解できる。
 そして重悟は伴侶を亡くしている。残されし者の気持ちもまた、十二分に理解していた。

 今回の件で死んでいった者達の無念、残された者達の気持ちは痛いほど知っており、とても他人事のようには思えなかった。

 

「その為にも、一刻も早く真犯人を見つけなければならん」

「宗主は一連の犯人が和麻さんではないと気付いている様子ですね」

「当たり前だ。無論、厳馬の奴もそれに気付いておる」

「そうですか」

 

 さすが神凪の二強と言うべきか、暴走気味の綾乃や分家連中とは訳が違う。この様な事態でも慌てず騒がず、その先を見据えている。
 彼らは根っからの宗家なのだ。頭が動揺すれば下は大きく揺れ動く…それを理解しているのだ。

 

「その件で、厳馬が直々に和麻に会いに行っている」

「会いに?」

「うむ、和麻をこの場に呼びにな」

「…………」

「……………まぁ、厳馬の意気込みから『捕らえに行った』と言うのが正解だろうがな」

 

 景太郎の真っ直ぐな視線に、誤魔化すことは出来ぬと思った重悟は正直に話す。

 そして景太郎は……深々と溜息を吐いた。

 

「そうですね。暴走している綾乃さんに任せるよりは、厳馬殿に任せるのが適任ですね。和麻さんの捕獲には」

 

 『捕獲』という単語を強調して遠回しに非難する景太郎に、重悟が渋い顔をした。

 

「では、お前ならどうするというのだ?」

「先日も言ったとおり、宗主自身が動くべきです。襲撃者の事もありますが、宗主と厳馬殿、もしくは私が一緒にいれば逆に撃退も出来ましょう」

「しかし、この場に和麻を呼び、皆の前で弁明せねば……」

「たとえ弁明しても、現状では宗主と厳馬殿、私以外の誰がその言葉を信じましょうか。今の綾乃さんなら、和麻さんの姿を見た途端、炎雷覇を抜いて斬りかかることは想像に難くありません」

「う……む……」

 

 景太郎の言うとおり、重悟はその状況を安易に想像できてしまいなにも反論できなかった。

 

「そもそも、和麻さんの弁明なり、事を構えないように話し合いをするのであれば、少々不作法になりますが電話で充分、他の者には宗主命令で『事が終わるまで静観しろ、従わない者には厳罰』とでも言えば良いだけです。
 相手が厳馬殿ならまだしも、宗主とあれば和麻さんも邪険に切ったりはしないでしょう。既に調べてあるのでしょう? 和麻さんの携帯番号……」

「むぅ………」

 

 景太郎の指摘に呻く重悟。そんな養父の姿を、景太郎が少々呆れを含んだ目で見る。

 神凪の将来を憂いている重悟ですら『力ずくで押し通す』という暴力的思考が芯にあるのだ。第三者の視点から見れば、呆れるより他無い。

 

「今からでも遅くはありません。和麻さんと事を構えたくないのであれば電話で話し合うべきかと……」

「お前の言う通りだな、わかった。周防、いるか?」

「…………ここに」

 

 重悟の呼びかけに、二秒と待たせず周防が現れ応える。

 

「電話と和麻の電話番号を持ってきてくれ」

「暫しお待ちを」

 

 

 

 そう言って周防は部屋の前から離れる。そして……

 

「失礼いたします。宗主、電話と資料をお持ちいたしました」

 

 二分と経たずして戻ってきた周防によって、重悟の手に電話と和麻の携帯番号が記された資料が渡された。

 そして重悟がすぐに和麻に電話を掛けたのだが…

 

 

「だめだ。和麻の奴、どうやら電源を切っておるようだ」

「どうやら、すでに厳馬殿が和麻さんに電話をしたようですね……違いますか、周防さん」

「はい……景太郎様の仰るとおり、厳馬様がこの資料を見て和麻殿に電話をなさっていたと、資料を預かっていた者が言っておりました」

「なに? して、厳馬はなんと言っておった?」

「詳しくは……何処かで待ち合わせを決めた様子で、既に先程お屋敷をお発ちになられました」

 

 事の詳細を聞いていないのは仕方がないことだ。使用人達が電話に聞き耳を立てるなど問題行為なのだから。

 しかし、今回に限ってはそれは悔やまれて仕方がなかった。

 それならばと、続いてホテル自体に電話をして和麻に取り次いでもらおうとしたが、こちらも既に時遅く、和麻はホテルから出ていったと告げられた。

 

「一足遅かったか」

「その様ですね」

 

 既に取り返しが付かない事態に、重悟と景太郎は揃って息を吐き、項垂れる。

 

「こうなった以上、仕方があるまい。厳馬が上手く和麻を連れてきてくれることを期待するしかない」

「他人事のように……」

 

 結局は成り行き任せにする重悟に、景太郎は何度目になるかわからない溜息を吐いた。

 しかし、同時に重悟がそう言うのも納得できるところもあった。風牙衆に命じて、厳馬を見つけたとしても、もはや厳馬は止まろうとしないだろう。こう思ったら一直線、頑固一徹に事を進める堅物なのだ。

 

(まぁいい。ならば、こちらはこちらで勝手に動かせてもらうか……)

「宗主、私はこれから少々出かけて参ります」

「どこへ行くつもりだ?」

 

 景太郎の言葉に眉を顰める重悟。この状況下に……と、視線が語っていた。

 

「このまま無為に時を過ごす必要はありません。知り合いに腕の立つ情報屋がいますので、その者に調査を頼もうかと。
 風牙衆の実力を疑っているわけではありませんが、別の方向からの視線で見えてくるモノもあります」

「それはいいが…大丈夫か? 件の風術師はどこに潜んでおるのかも判らないのだぞ。そんな状況でのこのこと外に出るのは格好の餌食だぞ?」

 

 一族の宗主として、また父として景太郎を案じる重悟の言葉。

 綾乃が退魔に出たのは、敵の風術師が景太郎に容易く撃退できる程度だと考えていたからだ。実際は容易くなど無く、半ば見逃してもらったのだが…景太郎の言葉を軽視し、綾乃と雅人なら返り討ちに出来ると思っていたからだ。

 だが、実際は神凪nOの綾乃すら圧倒するほどの実力者。前はともかく今度また景太郎が戦えば……

 宗主としても、父としても家族ケイタロウを失いたくない重悟の言葉に、景太郎は薄く微笑んだ。

 

「ご安心を。出会ったら即座に逃げます。逃げ足だけは神凪一ですから」

 

 珍しい景太郎の冗談に、重悟の顔に久しぶりの笑みが浮かんだ。

 

「それを聞いて安心した。だが、無理をせんようにな」

「はい。では、これにて……」

 

 景太郎は平伏すると、入ってきた時と同様、物音をほとんど立てることなく部屋を辞した。

 

 

 

 


 

 

 

 時は少々遡り……重悟が綾乃を宥め、景太郎が涼原家の慰問に訪れていた時刻。

 とある薄暗い小屋に、お伽話に出てくるような魔法使いの風体をした男が居た。

 

「まさか、炎術師が私の『遠見』に勘付くとはな」

 

 目の前にある台の上に置かれた水晶球をやや険しい目で眺めながら、男は一人ごちる。

 つい数分前まで、その水晶球にはとある光景が映し出されていたのだが、相手側に察知されそうになったので消されている。

 

「炎術師は鈍いと聞いていたが……」

「一緒にするな。景太郎様は並の炎術師とは一線を隔した御方なのだからな」

「―――――っ!?」

 

 不意に背後からかけられた声に、男は表情を強張らせながら振り返る。

 しかし、男はその声の主を見た途端、安堵した表情となって深く息を吐いた。

 

「兵衛殿か……驚かさないでくれ」

 

 男は非難を込めて兵衛を睨む。

 

「音も気配も消して背後に立つ。私のような者からすれば、力しか脳のない炎術師よりあなた方……風術師の方が遥かに厄介だな」

「ふん、世辞は良い。それよりも、先程のは何だ。お主が此処にいる事は神凪はもちろん、景太郎様とて知らぬ事なのだぞ。あまりしゃしゃり出て気取られるような真似はしてくれるな」

 

 兵衛は男を真っ向から睨み返し、強い口調で言い放つ。男はその兵衛の言葉に反論することなく、視線を少しだけ戻して水晶球を一瞥した。

 

「ああ、確かに迂闊だった。まさか遠見で見ていただけの私の存在を、ほんの数秒で気取られるとはな」

「先程も言ったが、景太郎様は重悟や厳馬といった連中と同じ神凪の炎術師であっても、様々な方面で優れている規格外の存在なのだ」

 

 かの神炎使い二人すら含んだ神凪よりも、景太郎を賞賛する兵衛の淡々とした言葉に、男は含みのある笑いを浮かべる。

 

「何がおかしい」

「フッ……いや、なに。他の者は呼び捨てにしているのに、あの男だけは敬称を付けていることにな」

「…………〈ファルス〉、貴様には解るまい。景太郎様は長年虐げられてきた我らの境遇を理解し、この力を認めてくれたただ一人の御方なのだ」

「だが、その男でも宗主になることが出来なかった。いや、なる事を許されなかった、認められなかった…と、言うべきか。己が血筋を至上とする一族にな」

 

 男―――――ファルスと呼ばれた者の言葉に、兵衛は口を噤んだ。しかし、その胸中の激情を表すかのように、握られた拳の指の隙間から血が滲み滴っていた。

 兵衛が黙っている事を良い事に、ファルスは尚も言葉を続ける。

 

「だというのに、あの男は野心を欠片も持ち合わせず、逆にその境遇を甘受している。あれでは、どんなことがあろうともあの男が宗主になることはほぼ絶無。情けない、ああ情けない。
 だからこそ、貴方方は……貴方は私の案に乗った。息子の一人の身と魂を売り渡してな」

「言いたい事はそれだけか」

 

 朗々と歌うように喋るファルスを、兵衛が憤怒と憎悪を宿した眼差しで睨み付ける。同時に、その感情に触発されて兵衛の身を風の精霊が巻く。

 

「少々お喋りが過ぎたようだな。済まんな、もう何年も籠もっていると会話が恋しくなってな、ついつい饒舌になってしまう。それで、ここに来た本当の目的は何だ?」

 

 ファルスはその眼差しに怯えることなく、その顔に笑みを浮かべたまま本題を切り出した。それを機に兵衛は睨み付けるのを止めると、厳かに口を開いた。

 

 

「景太郎様が……あの方が、本格的に動き始めた。もはや事が明らかにされるまでそう時は無い」

「ほう。それで?」

 

 続きを促すファルスを無視し、暫しの間目を瞑った後……目蓋を空け、強い光を宿した眼を見開いた。

 

 

「我らの大願成就の為……………今夜、決行する」

 

 

 

 

―――――第八幕に続く―――――

 

 

 

【あとがき】

どうも、ケインです。

久方ぶりの景太郎の出番です。二話まるまる出番がありませんでしたからね。名前はちょこちょこ出ていたりしましたけど……

それと、ついでに黒幕が現れました。黒魔術士風の男〈ファルス〉です。どのような存在であるかは…いずれ出てくるでしょう。

 

しかし…この人物についてはオリジナルで、風牙衆関係の設定も少々いじります。謎の風術師(知らない人でももはやばればれ)の設定や、風牙衆の叛乱理由などが主です。

気に入らない方など居ましたら、この場において先んじてお詫びいたします。

 

 

さて…次回ですが、今回の作中にもあるとおり、とある親子の再会です。

これもまた、本編通りのあらすじとなり、景太郎の出番が無いわ少々文章が変わっているのが主となってしまいます。本編と同時に投稿する予定ですので、どうかそこの所、勘弁していただきたく思います。

 

 

 それでは、次回、白夜の降魔・聖痕編・七幕『―――――親子―――――』を、よろしければ読んでやってください。ケインでした…………

 

 

 

 

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